毎日食べているご飯だけれど、米食が日本中に広がるまでには長い歴史があったのです。第二次世界大戦までは、米2~3割に、麦・ひえ・あわなどの雑穀を混ぜたご飯が普通でした。その他、そば・いも・とうもろこし・大根・豆類なども主要な食料でした。戦争中から戦後にかけてお米は大変な貴重品で、人々はイモやカボチャ、そのクキまで食べて飢えをしのぎました。
戦後世の中が落ち着くと、稲作にも力が入れられ、生産量は戦前を大きく上回るようになりました。こうしてお米はみんなの主食になったのです。
農林水産省「作物統計調査」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500215&tstat=000001013427&cycle=0&tclass1=000001032288&tclass2=000001034728
お米の名前をよく見ると「あきたこまち」のようにひらがなのものと、「コシヒカリ」のようにカタカナのものがあります。これは、品種をどこで開発したかによって、書き方を変えていたからでした。県の農業試験場で独自に開発育種した品種はひらがな、国または国が指定した試験場で開発した品種はカタカナとなっていました。ところが最近この決まりが変わってきました。その第1号が「ひとめぼれ」です。これは国の指定試験場になっている宮城県古川農業試験場で開発された品種なので、本来ならカタカナのはず。しかし、ネーミングがとても重要な時代に規制があるのはおかしい、ということから自由に名前をつけられるようになったのです。
日本の経済の成長に合わせて、農業も大型の農業機械や農薬をたくさん使うようになりました。農薬をたくさん使うことは、農民や消費者の健康をそこねることになります。そこで、農業のなかに自然を取り戻そうという動きが出てきました。たとえば、土に対してできるだけ化学肥料を混ぜないようにして、有機物(自然の肥料など)を使うといったことです。このような有機的な栽培方法で「安全な食べ物」をつくることを、有機栽培といっています。