日本には、田が240万5,000ヘクタール(平成30年)あります。
これは耕地面積の54.4%にあたります。
実際に稲が栽培されている田の面積は、耕地面積の36.0%です。
残りの田は、米があまるようになったので、
政府が1970年から米の生産調整を行い、
他の作物が栽培されたりしています(生産調整は2018年に終了)。
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/menseki/index.html#r を加工して作成
稲はイネ科の栽培一年草で、その種子が米です。
植えた稲が成長・成熟すると、子実が結実して、穂からもみが実ります。もみは収穫期に刈り取られると、脱穀(だっこく)されて、
まず、くきや葉の「わら」の部分が除かれます。
そして、次のもみすり過程で「玄米」と「もみがら」に仕分けされます。この玄米が、精米されて「精米」と「ぬか」に分かれるのです。
「精米」は、精白する度合いによって
「五分づき米」「七分づき米」「白米」などの種類になります。
精米までの工程で分かれる「わら」や「もみがら」なども生活に役立つ資源に活用されます。
稲は大きく分けて三つの種類があります。
ジャポニカ(日本型イネ)
日本・朝鮮半島・中国東北部などで主につくられている、丸いかたちのお米です。炊くとねばりとつやが出ます。
インディカ(インド型イネ)
中国の中南部・タイ・ベトナム・インド・アメリカなどで主につくられている、長細い形のお米です。たくとパサパサした感じになります。
ジャパニカ(ジャポニカとインディカの中間型)
ジャワやイタリアで主につくられている、やや丸い形のお米で、大つぶなのが特徴です。味はあっさりしてねばりがあります。
また、お米のつぶの性質の違いから、
以下のように分類することができます。
でんぷん質組成の違い
うるち米
私たちが食べている普通のご飯
もち米
炊くとねばりがありおもちや赤飯に使われます。
その他
- 赤米...
- 古代米のひとつ。よく噛むと甘みが出ます。
- 香米...
- 強い香りがあるお米なので、普通のお米に少量を混ぜて使います。
- 醸造米・酒米(さかまい)...
- 日本酒をつくるときに使います。
栽培法(水分要求量の違い)
水稲(すいとう)
田んぼに田植えをする稲。日本ではこの水稲が多く行われています。
陸稲(りくとう・おかぼ)
畑に種もみを直接まく稲。日本ではもち米の栽培に利用する場合もあります。
栽培法(成熟期間の違い)
早生種(わせ)
稲の中で早く開花・結実し、実を付ける品種。
中手種(なかて)
早稲(わせ)と晩稲(おくて)との中間期に実をつける品種。
晩稲種(おくて)
遅く実をつける品種。
日本では、ジャポニカ・水稲・うるち米の生産が大半をしめています。たとえば、日本で一番たくさんつくられているお米の品種「コシヒカリ」は、ジャポニカ種であり水稲で栽培されているうるち米です。
作業手順
1. 育苗ハウス
ハウスで丈夫な苗を育てます。苗床に土と肥料を入れ種をまき、水やりをした後、日当りや湿度に気をつけながら保温します。
2. 田おこし・しろかき
良い土をつくるため、水田に稲わらやたい肥・肥料をまき、トラクターで掘り起こします。ここに水をはって平らにします。
3. 田植え
苗の葉が2枚以上、長さが12cmくらいになったら田植機で1株に4本くらいずつ植えます。いまでは10列同時に植えられる大型機もあります。
肥料をやる
農薬をまく
4. 水管理
田植えの後は寒さから稲を守るため、水田に水を入れ、天気に合わせて水の量を加減します(水が稲を保温してくれます)。
5.肥料・農薬
夏が近づくとともに、稲がぐんぐん成長します。肥料をまいたり、病気にならないように農薬をまいて、丈夫な稲が育つように気を配ります。
6. 溝掘り・中干し
6月の終わり頃から7月のはじめに稲の根がよく伸びて肥料をよく吸うように溝を掘り、水田の水を抜いて中干しをします。
(稲の花)
7. 稲刈り
黄金色の稲穂が垂れ下がると稲刈りです。最近のコンバインは何列も同時に稲を刈り、実を採る脱穀や稲わらを切ることも同時にできます。
お米の小売りは、お米やさんばかりでなく、コンビニやお酒やさんだったりします。流通経路もいろいろあります。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kikaku/kome_siryou.htmlを加工して作成